着物でお茶や食事をする時のマナー。やってはいけない行動は?

着物を着用した姿は風情があるものですが、マナーもあるので注意が必要です。

マナーを知ることで、着物の見栄えも何倍も美しくなるので、ぜひ実践されてみてはいかがでしょうか。

お茶や食事をするときのマナー

お茶や食事をするときは、品の良し悪しが出やすいので気を付けましょう。

注意しないといけないのが、「立ったまま飲んだり食べたりする」ことです。

つい美味しそうなものがあったり、近くにイスがなければ、そのまま立って飲食をしたくなると思いますが、着物の時は椅子などに座るように心がけましょう。

床に座る時の所作

床に座る場合、いきなり腰を落としてはいけません。

最初に右足をわずかに後方へ下げ、その際に同じ側の手で前川の生地をつまみます。

そして、少しで上に上げておくとその後の動作がスムーズになります。
太ももに接触している生地が緩むので、座るときにひっかからなくなるからです。

このわずかな差で、流れるような綺麗な着席が可能になります。

また、腰を落とすときは左手を太ももに添えるようにしましょう。

このとき、右手はひざから足先にかけて撫でるようにスライドさせることもポイントです。

そのうえで膝を付けることで綺麗に見えますが、左右の膝頭を接触させないように気を付けましょう。

目安としては握りこぶし一つ分ぐらい開けておくと、ゆったりとした優雅な座り方になります

椅子に座って飲食する時のマナー

椅子に座って飲食をするなら、長い振袖などが床と接触しないように気を付けなければなりません。

着物を普段から気慣れていない場合は、両方の袖を手に取って膝の上に置いておくと安心です。

背もたれがある場合は、帯が崩れないように背筋を伸ばしておくことも忘れてはいけません。

猫背になっていると衣装のラインにたるみが生じて不格好になってしまいます。

着物が汚れないように注意しておくことも大切

食べ物や飲み物が出てきたら汚れないように予防する必要があります。

とはいえ、たいそうな防衛策があるわけではなく、基本的にはハンカチを膝の上におくだけで十分です。

大きなハンカチを用意しておき、それを半分に折って使用すると良いでしょう。

振袖なら帯の上側に端を押し込んで挟んでおくという方法もあります。

窮屈に見えない座り方で

さらに、テーブルに近づきすぎないこともマナーの一つです。

貪欲に見えてしまうことも理由の一つですが、所作が窮屈になることを避ける必要があるからです。

テーブルの上からグラスを取るときは袖口が見えないように抑えましょう。

目の前の相手に不快感を与えてはいけませんし、食べ物や飲み物で汚れることも防げます。

あまり大きなサイズの食べ物は着物姿に好ましくないので、できるだけ小分けにして口に運んでください。

箸を持っていないほうの手を添えておくと上品に見えます。
これは茶碗を持つときも同様であり、常に両手を使う意識を持つことが重要です。

そして、背を丸めていると不格好になってしまうので、背を伸ばして食事をするようにしましょう。

口を皿や茶碗に近づけるのではなく、食べ物を口に運んでくるようにしてください。

ちなみに、背筋を伸ばすことには場を明るくして和ませる効果もあります。

うつむいていると暗い印象を与えますし、そのイベントに参加したくないように見えやすいです。

ですから、できるだけ胸を張って周囲の人たちを見ながら食べるようにしましょう。

さらに、店員が持ってきたものを受け取っとき、そのまま食べたり飲んだりせず、落ち着いてテーブルに一度置き、それを鑑賞するようにしましょう。

ただ、鑑賞といっても時間をかける必要はありません。

これから自分が食べるものを把握し、それに感謝する気持ちを持つだけで十分です。

茶道において、茶碗を回して鑑賞する動作に通ずるものがあります。

その所作は着物にとてもマッチするので、マナーを守る以上に意味があることです。

お腹がすいていていも、いきなり食べてしまうのではなく、落ち着きをもって臨むようにしましょう。

自分が食べたいものを選んだら、そこに箸を移動させて挟んで口に運ぶまでの所作をイメージしましょう。

綺麗な動作をイメージしながら実践することで、周りの人が見ても気持ちの良いものになります。

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