初めて着物を購入する時に気を付けるポイントは?

現代では着物を着る機会はかなり減っており、大人になってからは成人式や結婚式くらいでしか来たことがない人も多いでしょう。

でも、趣味でお茶を習うとか着付けを習うといったことを始めるときには、レンタル品ではなく自分のものを購入する人もいます。

そういうときに洋服と同じように気に入ったデザインだけに注目すると、失敗することもあるので気をつけましょう。

まず購入する際に気をつけるポイントは、着物にはいろいろな種類があると知ることです。

例えば生地というのは柄だけでなく素材や織り方で、見た目や肌触りが大きく変わります。

仕立て方

着物を購入するにあたって決めなければいけないのが、仕立て方です。

仕立て方を選ぶというのは、既製品とオーダーメイドのどちらにするのかということです。

既製品は仕立て上がりといって、すでに形ができているものを購入します。

サイズの調整が必要であればお直しをしますが、すぐに着られます。

一方でオーダーメイドは誂え(あつらえ)といって生地や柄を好きなように選べて、サイズも寸法を測ってつくります。

誂えは一から作業をしていくので、慣性までには数ヶ月がかかります。

価格は、当然ながら仕立て上がりの方が安く、誂えのほうが高いです。

いつまでに着られる状態にして欲しいのか、予算はどのくらいなのかといったことで一番良い仕立て方を選びます。

着物の柄

仕立て方に続いて着物の柄を見ていくと、色合いや使われている植物・動物・景色によって季節が表現されています。
季節は先取りする分には問題ないのですが、遅れていると季節外れで恥ずかしいとされてしまいます。

とくに礼儀・作法が問われる場であれば気をつけなければいけません。

ということで、いつどのようなときに着ようと思っているのかを踏まえて、柄を選ばなければいけません。

季節は春ならば桜や牡丹、夏にはあじさい、秋には紅葉そして冬は椿といった定番があります。

とはいっても、桜の花や紅葉狩りをするために着るつもりならば、桜や紅葉を選んでしまうのはよくありません。
というのも、本物に囲まれた状況では、その柄が目立たなくなってしまいます。

さらに着物の柄は「染め」と「織り」でつくられます。

「染め」とは、白い生地にさまざまな材料からつくられた染色液をつかって色をつけることです。

のれんや前掛けなどに使われる藍染めは、植物の藍をつかって、青みがかった色に仕立てていきます。

そして「織り」は、染色した色を組み合わせてデザインをつくっていくことです。高級品として知られる西陣織などがその代表例です。

一般的に「染め」は柔らかい肌触りで、「織り」は硬い肌触りになる事が多いです。

季節でいえば、夏は肌触りの良い「織り」が向いていて冬は包み込むような感触の「染め」が好まれます。

一般的には、改まった場できるならば「染め」の方が良いとされていますが、前述の西陣織のような高級品であれば格が高いので大丈夫です。

生地

生地については、こちらも季節に合わせることを考えなければいけません。

素材で言えば夏場には、汗が出ても肌につきにくい麻が、寒い冬は保温性の高いウールが最適です。

そして絹や化学繊維は季節を問わず選ばれます。

その素材を使った織り方では、縮緬(ちりめん)や絽(ろ)そして紗(しゃ)が涼しいので夏場に好まれます。

冬場では羽二重や緞子などであれた温かいです。

ただ、改まった場では、季節以外にも生地の格が問われます。

最も格が高く値段が高いのが、正絹つまり100%絹でできた生地です。

手触りが滑らかで、質が高いものをつくるのは大変な時間と労力を必要とすることから昔から高い価値を持っています。

その他の生地については、木綿・麻・化学繊維という順番で格が下がっていきます。

木綿や麻、化学繊維は、ごく親しい人たちの集まりやお祭りに着ていくならば問題はありませんが、結婚式や同窓会には相応しくないです。

ただ、化学繊維の着物は、最近では加工の技術が向上して見た目だけでは正絹に近いものもあります。
そういった化学繊維であれば、高級品と同じように着られます。

証紙を確認するのもおすすめ

ここまで着物の種類について簡単にまとめてみましたが、購入をするときには気をつけるポイントがもうひとつがあります。

それは高級品に見せかけた安物があることです。
日本には西陣織の他にも、大島紬や京友禅など各地で連綿と受け継がれてきた伝統工芸品があり、それぞれ高い価値が認められています。

職人が手作りした伝統工芸品だと思ったら、機械で大量生産された安物を掴まされたというのはよくある話です。

専門的な知識と鑑定眼があれば、騙されることはないでしょうが、日常的に洋服しか着ていない人には判別は難しいです。

なら、どうするべきかというと証紙を確認してから購入しましょう。

証紙は、製造者や織り方、伝統工芸品マーク印刷されている品質を証明する紙です。
本物の証紙であると確認できれば、安心して購入できます。

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